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「ヤマベの耐震改修」実例見学@川崎市立日本民家園

先日、私がスタッフをやっている家づくり学校・構造ゼミ(講師:山辺豊彦先生)の有志が、先生が耐震改修をやった古民家を見に行くというので、私も仲間に入れてもらいました。先生が懇親会の席で図面を見せてくれたので、これはもう行かなきゃって感じだったのです。
鈴木家の奥側の表情。曇っていましたが、ここの土壁はとても綺麗です。改修の際に化粧直しをされたと思います。
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茅葺の軒を支える柱の金輪継ぎ。古い方と新しい方の経年変化が馴染んでいたので、先生が入る前に金輪継ぎによる根継ぎが施されていたのだと思います。今携わっている仕事が、築60年の耐震改修で、3寸5分の柱で金輪継ぎすることを迷っていましたが、これを見てリアリティを持つことができました。
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歴史的建造物の柱を傷めずに補強するということで、先生が考えたのがスチールテープでバンド巻きする方法。スチールは引張に強いから薄くてもよい。具体的な補強材は杉板の奥に隠れて見えませんが、当て板を入れて元の柱を守りながら、新しい補強材を絡ませるときにやるそうです。出窓の位置と同じ高さで貫材を入れたのかなと推測します。
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土間に玉石を据えた単独柱だったところに、コンクリートの地中梁を入れて玉石を載せています。写真だと色違いで判りますが、実際は薄暗がりの空間なので、まず気づかないと思います。地中梁の上に、モルタルと周囲の土を混ぜたものをコテで撫でつけたのだと思います。
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床下の束石に幅広の根絡みがあり、そこに絡ませて鉄筋が等間隔に地面に刺さっています。地面に見えるところも地中梁が入っていて、そこに鉄筋がアンカーされています。これで上部につくった構造壁の端部引抜に抵抗することができるそうです。勉強になります。
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今の仕事がフィニッシュするまで、後1,2回は通いそうな予感がします。




by seeds-archi | 2023-01-18 20:08 | Diary

一級建築士事務所シーズ・アーキスタディオの日々の出来事など


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