私が教えに行っている生田キャンパス校舎のファサード(外観)が面白いです。
何階建てか判別しにくいデザインをしていこうという意図だと思いますが、水平に何本ものルーバーが走り、そこに風穴を開けるように、2層分、3層分の大開口が穿たれています。
面白いと言ったのは、その窓の扱われ方です。
ルーバーの走っている窓はカーテンを閉めておらず、大開口ではロールスクリーンを下ろしているのが見て取れます。
南面で大開口をつくり、庇が無いとまぶしくて、あるいは暑くて、ロールスクリーンを下ろしてしまうのです。
窓からの景色は、ルーバーの方が邪魔な感じがあるかもしれませんが、一方でせっかく大開口を開けてもロールカーテンを閉めてしまっては台無しです。
ここでは、人の背丈のところでロールスクリーンを止めていました。
庇(ここではルーバー)はガラスの外で日射を遮り、カーテンは一旦ガラスを通してきた日射を遮っていますから、室内温度としてもルーバーのほうが有利に働きます。
「大開口=気持良い」と決めつけてしまうのは早計なのです。
この記事は、今日のエスキースチェックで、大開口を開けてくる、庇が無いなどの案が出てきそうな予感がしたので(笑)、事例としてこの話をしようと思い、写真に撮った次第です。
(白崎泰弘)