赤レンガ見学記-2

前回の続きです。



三菱一号館のあとは、東京駅です。


ステーションギャラリーではちょうど「東京駅100年の記憶」をやっていました。


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改修前との大きな変更点は、両ウイングのそれまでの勾配屋根から建設当時の八角形のドーム屋根に戻したことです。その様子は「東京駅100年の記憶」を観るとよく判ります。


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レンガのディテール的には、三菱一号館と同じくコーナーやまぐさに石を使い、比較的白の多いデザインです。装飾性の強いまぐさも同様です。



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じっくりみて気づいたのですが、東京駅は小口面だけを見せる「小口積み」なんですね。これは意外でした。


コーナーをみると小口のさらに半分の長さになっています。通常、真物(まもの)のレンガを使う限り、小口の横面は長手になるので、これも意外でした。おそらく、小口のスケール感で全体を構成しようと思うと、コーナーだけ長手が出てくるのはしっくりしなかったのではないかと思います。そう考えれば、設計者の辰野金吾は、繊細なスケールをこの大きな建物に持ち込もうとしたのだと思えてきます。


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このコーナーは当時のままです。その証拠は、目地が風化していることと「覆輪目地」という丁寧な目地詰めで判ります。目地自体がかまぼこ型の断面形状をしているのが写真で判ると思います。現代の建物で「覆輪目地」をやっている建物はお目にかかったことがありません。手間暇がかかるゆえに(それも半端なく)、生産性が今の社会に合わないのだと思います。

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ステーションギャラリー内の展示空間を行き来する階段の壁は当時のままだそうです。バックヤードにだったのでしょう。人に見せることを意識したいわゆる化粧積みではありません。目地の通りも良くありません(水平の線が出ていない、縦方向も不揃いが目立つ)。


ここではイギリス積みになっています。そうすると、外観の小口積みはデザイン上積極的に小口積みにしたかったことが判ります。




写真上部に、穴が等ピッチで空いています。私はこれを見て、足場を組むときのアンカーではないかと即断しましたが、今、写真を改めて見ると、足場用のアンカーにしてはピッチが狭すぎるような。。昔の事だから、このくらいのピッチで入れていたのでしょうか?目地芯に入れていますから、穴をあけることでレンガが砕けることがないようにという注意が働いています。果たして何だったのでしょうね?


(白崎泰弘)

by seeds-archi | 2015-01-07 15:58 | Diary

一級建築士事務所シーズ・アーキスタディオの日々の出来事など


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