赤レンガ見学記-1

冬季休暇を利用して、赤レンガを見てまわりました。



赤レンガといえば、私が坂倉事務所に入って最初に担当した五番舘西武で大々的に扱った素材。とても思い入れのある素材です。


これでもかこれでもかと使いましたので、少し距離を置いていたというのが私の中にあります。(笑)


久しぶりに赤レンガに向き合おうと、丸の内の三菱一号館美術館と東京駅に行ってきました。


三菱では私の大好きなミレー展をやっており、ステーションギャラリーでは「東京駅100年の記憶」を開催、一石二鳥というわけです。




最初に三菱一号館。

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中庭側に美術館の入口があり、レンガとガラスを対比させたデザインになっています。



プランニング上そうなったのでしょうか、ガラスのボリュームが大きすぎると感じました。


もしくは、黒のカーテンウォールではなく、DPGというガラスをポイント金物で留める支持工法と透過度の高いガラスを使っていたなら、もっとレンガの素材感が惹き立ったのではないかと思います。(←生意気な意見です)




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街路側のファサード。石のまぐさ(開口の上の部材)が装飾的で、華麗なデザインです。東京駅もそうですが、コーナーストーンや石のまぐさを多く入れていくと、華麗さを増していきます。


当時の設計者(J.コンドル)は、レンガと石の比率を、建物の役割(社会的な立場も含め)を考えながら決めていったように私には思われます。


レンガが白っぽいのは白華という現象で、モルタル中の水酸化カルシウムがにじみ出てきたものです。復元(つまりは新しい)のせいだと思うのですが、この写真の白華はまだ若いです。長年のうちに、白華は雨に流され消えていきます。風雨にさらされていない場所は、白華は残りがちですがレンガの風化とともに茶色く沈んでいき馴染んでいきます。




白華を汚いものと捉える人もいるので、施工者は目地を詰めた後、酸洗いをします。


それでもうっすら出てきます。この建物も、鳴り物入りのプロジェクトでしたから、当然酸洗いはしているはずです。


白華が出ていても、石の量が多い(つまり白が多い)デザインだったら、全然気にならないと私は思います。


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レンガの積み方は「イギリス積」と呼ばれる積み方です。小口面の段と長手面の段を交互に積んでいくやり方です。
これと比較されるのはフランス積み。1段の中で小口面と長手面を交互に見せていく積み方です。


イギリス積みだと水平強調のデザインになっていき、のびやかで、私も好きな積み方です。
左側の開口に見える窓台と角をとったレンガ、しびれますね。窓台はおそらく左官でレンガ面と同面(どうづら)にあわせています。レンガは表情を和らげる意味と真物(まもの)の良さを見せてくれています。しびれます。
(白崎泰弘)

by seeds-archi | 2015-01-06 00:32 | Diary

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