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漆器と和紙の里

富士登山の後、旧盆を実家の福井で迎えました。

実家から車で30分のところに、漆器の産地である河和田と、越前和紙で有名な今立があります。15日に見学をしてきました。

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河田にある漆器会館の中に、漆塗りで覆われた和室があります。漆のあでやかで透明な光沢は、自然光の中で見る場合と、人工のスポット照明を当てた時と様相を一変させます。写真は自然光の中の和室。



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漆器会館で、漆器のマグカップを買った後、今立にある「和紙の里」に向かいました。古民家群を再生して和紙の工房、展示館、土産物屋さんなどにコンバージョンした施設群です。

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手漉きの実演をみせてもらいました。手慣れたおばあちゃんが、紙を漉きながら、立て板に水のごとく説明してくださいました。
それによると、木の幹を使う洋紙と違って、和紙は樹皮を使うんですね。それで、繊維が長く、ごわごわしている。
洋紙はパルプ材を使うので、繊維が非常に短い。紙幣にも使われ、丈夫だと言われる和紙は、繊維の長さに秘密があったのですね。
長い繊維が手漉きによりランダムに絡み合う。あらゆる方向で引っ張っても破れない理由が判りました。
土壁におけるスサや、鉄筋コンクリートの鉄筋と同じ仕組みなんですね。

印刷屋である私の兄が、根ほり葉ほり訊いていたら、そのおばあちゃんは無形文化財の岩野平三郎氏のもとで紙を漉いていたことが判明。
「打雲」など岩野氏しかやれない漉き方など、紙漉きのいろんな話を聞かせて下さいました。(上の写真は「透かし」のやり方です。通りすがり的な観光客にはここまで見せてはくれません。)
マニュアルじゃない、人との生きた会話は素敵な情報が詰まっていると、改めて思った次第です。

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紙の材料である「みつまた」は枝の分かれ目が三又だから、その名があるんですね。こんな低木だとは思いもしませんでした。
by seeds-archi | 2012-09-03 10:00 | <!--04-->Diary

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