設計のこぼれ話 −家の中の安全対策・亀戸の家編−

亀戸の家が完成しました。先日、無事にお引渡しをすることができました。



亀戸の家は、いわゆる狭小住宅です。
狭小ゆえ、廊下をなくすこと、できるだけ目線を遮らず見た目の開放感をつくることは、設計の中でとくに気をつけた部分です。
結果、リビングの中に階段があるプランになりました。



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写真を見ると、ちょっと物足りない感じがするかもしれませんね。
… そうです。階段の登りはじめの数段に、手摺がないのです。



建築基準法では、落下防止のため、階段には手摺や壁を設けることが義務付けされていますが、床から1メートル以下の範囲はその限りではありません。
階段を開放的なつくりにすることで、その分、リビングが広く感じられるわけです。
実際に、このようになっていると、階段が造り付けのベンチにもなるので、リビングの一部だと言ってしまっていいでしょう。



もちろん、お施主様には、打ち合わせのときに「安全性か開放感か」という選択をしていただきました。即答で「開放感」をお選びでしたが、お子様のことを考えていないわけではありません。
この手摺壁、小さな子供でも簡単に登れる程度の高さ。登れるということは、落ちる危険性もある…。
でも大丈夫です。  実は、手摺壁の手前にソファを置くことになっていて、もしものことがあってもソファの上に落ちるだけなのです。
私たちの方も、その前提でこの形をお勧めしたわけです。



安全性と利便性・快適性は、ときに相反することがあります。
当然、安全性が優先されるべきですが、その程度によっては、違う答えが出ることもあるでしょう。
「住まいの理想形は十人十色」 なのだと思います。
(白崎 治代)


by seeds-archi | 2012-07-24 14:12 | Essay-設計のこぼれ話

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