「ローコスト」って?

建設費を安く抑えた住宅は、よく「ローコスト住宅」と呼ばれます。そのタイトルで雑誌の特集が組まれるほど、通りのよい言葉です。でも、金額のみがクローズアップされること、金額で住宅をカテゴライズすることで、弊害が出ていると感じます。
というのは、本来は、「ローコスト住宅 ≠安普請・安物」なのですが、これを同じ意味でとらえている人が、かなりいるようなのです。
言葉の持つイメージとは怖いものです。
備えるべき性能(耐久性・断熱など)をキープして、建設単価を抑える努力をしたものと、性能を落として、金額のみを予算に合わせたものでは、かかった費用は同じでも、住宅の価値がまったく違うからです。





私たちも、今までに、いわゆる「ローコスト住宅」をいくつか手掛けてきました。
先日、それらがなぜ「ローコスト」で出来たのか、と問われる場面がありました。
予算が厳しく、設計は決して楽ではありませんでしたし、また、「もう少し費用が掛けられれば、こんなデザインも出来るのに…。」と残念な思いもしました。でも、性能を無視するようなことは、設計者のモラルからも考えられないし…。
結局、「ローコスト」の理由は、これといって思い浮かばず、上手くお答えできませんでした。




何でなんだろう? 改めて考えてみることにしました。




思い起こすと、独立直後のことですが、彰国社の『ディテール』という建築技術雑誌で、「ハウスメーカーのディテールテクニック」という連載を担当させてい
ただきました。ハウスメーカー8社に取材を行い、設計事務所の目線で、その技術を紹介する記事でした。各社から図面や技術資料を開示してもらい、それらを
かなり読み込んで記事にしました。ハウスメーカーが標準とする性能、その性能を発揮する仕様について、つっこんで勉強することになりました。
当時感じたのは、やはりハウスメーカーは性能主義。性能をキープしつつ、徹底的にコストダウンを図る姿勢は、おおいに刺激を受けましたし、勉強にもなりました。
そのとき学んだことが、今、役に立っているのかもしれません。
(他にも心当たりがありましたが、それはまた後日のブログで…。)



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          雑誌『ディテール』 1年ちょっとの期間にわたる連載でした。


by seeds-archi | 2010-08-30 17:46 | Essay

一級建築士事務所シーズ・アーキスタディオの日々の出来事など


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