狛江の写真館 光のつぶつぶ階段

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この住宅は、都道の拡幅により、敷地の1/3が削られるために建替えを余儀なくされた住宅です。各部屋の大きさは今までと同じくらいほしいわけですから、空間の遊び、つまり、「こうすると面白くなりますよ、やりませんか?」といった提案どころじゃない条件の中で、設計しています。



それでも、せっかく私たちに頼んでくれたんだから、seedsらしさを残していきたいわけです。唯一、それができそうな空間は階段ぐらい。
光のありかたが印象的な階段にしてみたいと考えました。





仕掛けはいたって単純。蹴込み板に孔あき合板を使うだけです。この孔の大きさとピッチがseedsらしさ。よく使われる孔あき合板と比べて、ピッチは変えずに孔の大きさを小さくしました。 階段の向こうの景色を見せると、上るのが心理的に怖くなります。光のつぶが意識されれば良いので、できるだけ小さくしました。



図面上では問題ないと思っていましたが、現場で大工さんから、一言。



「孔あき合板だと、構造的によわいっしょ。 段板が30ミリじゃ、たわんで音鳴りますよ。音鳴ってもいいなら、やりますけど。」



つまり、蹴込み板が厚板なら、段板が30ミリでも人の荷重が蹴込みに伝わって、蹴込み板の剛性で音が鳴らないことを大工さんは経験的に知っている。しかし、12ミリ程度のそれも穴あきだと、段板からの力で座屈し、段板と擦れあって鳴るというのです。



段板の厚みが60ミリあればたわまないけど、コストがはね上がる。そこで、みんなで知恵を出し合った結果、蹴込み板を差し込んだときに、上の段板からはクリアランスをとることにしました。下は押し縁方式にして、蹴込み板をはさみ付ける。つまり、構造的には下の段板から立ち上がって、上の段からは縁が切れてる状態です。



できあがって、工務店のヘビー級社長・勝又さんが上り下りしてもらいましたが、擦れた音は一切しませんでした。 



隠れたディテールです。 
(白崎泰弘)


by seeds-archi | 2010-05-13 15:42 | News-狛江の写真館

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