品川インターシティ
2018年 11月 17日
サンゲツのショールームに行ったついでに、品川インターシティに行ってきました。
品川インターシティは日本設計による1998年にできた超高層ビル群。私が坂倉事務所の勤務時代に注目していたのは、ビル群を結ぶ回廊の屋根でした。
回廊の屋根は短冊状のプレキャストコンクリートを隙間を開けて並べていくのですが、その短冊は細長いシェルになっていてそれ自体が単独で成立している構造体です。それを柱から持ち出した鉄のパイプでシーソーの支点のごとく受け止め、軒先に向かって4mほど跳ねだすという代物。短冊間の隙間にはガラスがはめ込まれ、ストライプの影を回廊に落としています。
短冊同士をつなぐものはメンテ用パイプが軒先に走っているだけで構造部材は一切なし。デザイナーがこだわったであろうことは容易に想像できます。
完成早々に見たときはこのアクロバットな回廊に大変注目していましたが、今日、まじまじと見ると、素晴らしいのはそれだけではありませんでした。
短冊屋根から下の部分で、ストライプにつながっていくデザインとするために縦強調のサッシュが入り、無目(サッシの横材)を入れて方立(サッシの縦材)をそこで止め、庭に連続する部分は出入口を開放的にするために方立を少なくしています。
簡単そうに見えるかもしれませんが、この大きさでそれを実現するために、無目を方立の控えに入っているステンレス鋳物で吊り、その吊り材は縦強調のサッシ方立の風圧も受け止めるという、これまたアクロバットな構造です。
短冊屋根から下の部分で、ストライプにつながっていくデザインとするために縦強調のサッシュが入り、無目(サッシの横材)を入れて方立(サッシの縦材)をそこで止め、庭に連続する部分は出入口を開放的にするために方立を少なくしています。
20年経って久しぶりに見に行きましたが、全然古びた感じがしないのは構造材を露出させデザインに昇華しているからなのかもしれません。
by seeds-archi
| 2018-11-17 00:18
| Essay